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村上春樹さんがアンデルセン文学賞授賞でスピーチ

アンデルセン文学賞授賞

10月30日にデンマークで「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の授賞式が行われました。同国の作家アンデルセンの生誕地オーデンセで開催され、2016年の受賞者である村上春樹さんが出席しました。(受賞者の発表は昨年の11月に行われていました)
写真はデンマークのフレデリック皇太子の妻メアリー妃

スピーチは英語で行われ、アンデルセンの「影」という作品を引き合いに出して、「小説を書くことは発見の旅だ」、「小説を書く際、予期していなかった自分と直面」し、「自分の影を率直に」描く感覚を「読者と共有することが小説家の重要な役割だ」と述べました。
一方で、全ての社会と国家も自らの「影」と向き合う必要性を語った。「侵入者を防ぐためにどれだけ高い壁を築き」「排除し」「歴史を書き換えても、結局は自分を傷つけるだけだ」と述べ、欧州への難民・移民の大量移入や、中東地域をはじめ世界各地で見られる民族対立の厳しさを念頭に置いた発言だと思われます。

何はともあれ、おめでとうございます。

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