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国際ブックフェスティバルで「色彩を持たない―」の執筆理由語る

村上春樹さん(65)が24日、英北部エディンバラで開かれている国際ブックフェスティバルに登場し、今月英訳版が発売された最新長編「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」について語った。

村上さんが公の場に姿を見せるのは極めて異例。英紙の文芸担当記者との対談に臨み「状況は全く違うが、自分も主人公と似た(仲間外れの)経験をしたことがある」と告白。「傷ついた気持ちは長い間残る。この感情について書きたかった」と執筆の理由を明かした。

小説を書く際の過程についても「毎日、頭の中にある地下室に下りていく。そこには怖いものや奇妙なものがたくさんあり、そこから戻ってくるには、体も丈夫でなければならない」と独特の表現で語った。

作家という仕事の魅力を「通勤も会議もなく、上司もいないところ」と語った上で「アーティストやクリエイターというよりも、エンジニアや修理屋のようなものだと思っている」と話した。作家でなければ何をしたいかとの質問には「東京でまたジャズクラブをやりたい」と答えた。

6月下旬に売り出されたイベントのチケットは発売1時間以内で完売。約600人を収容できる会場は満員で、開場前から多くの村上ファンが長蛇の列をつくった。

村上さんの話を聞くため、英南西部ブリストルから長距離バスで11時間かけて来たというオリ・ヘインズさん(29)は「執筆過程の話を聞けたのはとてもよかった。自分にとって村上作品は、現実を忘れて迷い込んでいく夢のようなものだ」と興奮した様子で話した。

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