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村上春樹さんのトークイベントの様子

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

4月27日「紀伊国屋サザンシアター」で、村上春樹さんのトークイベントが行われました。
当ホームページの管理人である私は、奇跡的にチケット抽選に当選し、行ってまいりました。

会場は460名のキャパで、もちろん満員。応募倍率は15倍とのこと。客層は、50代60代くらいの比較的年配の方が多い印象。10代20代の方は少なかったように思います。

チケット料金には、中央公論新社から出ている「村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事」の代金も含まれており、入場するときに頂けるのですが、何と春樹さん直筆のサイン入りとなっていました。(これは嬉しい。家宝にさせて頂きます。)

ブザーが鳴り、開演。
春樹さんはTシャツにジャケット、ピンクのパンツというカジュアルな格好で登場。
第一声は、「こんばんは、村上です。龍じゃない方の村上です」っと、持ちギャグで笑いをとっておられました。

始めは、フリートークという感じで、ユーモアたっぷりにご自身の話をされていました。
印象に残ったのが、神奈川県警のお話。スピード違反で捕まり、社会奉仕として横断歩道の旗振りをしたことがあるとのことです。
また、このトークイベントの主題でもある「翻訳」について語られ、小説を書くことと翻訳をすることのバランスや、翻訳は究極の熟読で、そこから偉大な作家達の文体・技法を学んでいるということでした。

その他、春樹さんの翻訳作品から「ティファニーで朝食を」や「ロング・グッドバイ」、「騎士団長殺し」を自ら朗読。スペシャルゲストに芥川賞作家の川上未映子さんをむかえ、彼女が朗読する場面もありました。

さらには、柴田元幸さんとの「翻訳講座」では、原文の英文と2人の訳文を比較しあい、翻訳家によってどれくらい違いや個性が出てくるのかということがわかる興味深い内容でした。

そして、満場の拍手の中、約2時間のトークイベントは幕を閉じました。
春樹さん自身、人前で話すことはそれほど嫌いではないということを仰っていましたので、今後こういう機会も少なからずあるのではないかという気がします。

春樹さんの翻訳書は70冊以上あります。訳された本は、依頼されたものではなく、春樹さん自身が気にいった作品で、訳したいと選んだものということです。まだ、翻訳本を読んだことがないという方がいれば、1度、お手に取って読んでみて下さい。

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