「風の歌を聴け」の名言集

風の歌を聴け
出版社:講談社文庫
単行本発売日:1979/01
文庫:160ページ 
 P.7
    「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
    
    P.117
    「条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何ももてないんじゃないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ? 強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」
    
    P.126
    僕は時折嘘をつく。
    最後に嘘をついたのは去年のことだ。
    嘘をつくのはひどく嫌なことだ。嘘と沈黙は現代の人間社会にはびこる二つの巨大な罪だと言ってもよい。実際僕たちはよく嘘をつき、しょっちゅう黙りこんでしまう。
    しかし、もし僕たちが年中しゃべり続け、それも真実しかしゃべらないとしたら、真実の価値など失くなってしまうのかもしれない。
    
    P.147
    あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
    僕たちはそんな風にして生きている。
    
        



